学校の図書室にマンガを置く高校や中学校が広がっているそうです。
図書室に生徒を呼び込むためではあります。
ラインアップは「はだしのゲン」「ゴールデンカムイ」「あさきゆめみし」「ちはやふる」「火の鳥」「コウノドリ」など多種多彩です。
ある高校では、閑散としていた2年ほど前と比べて、今では常連が増え、マンガをきっかけに一般書も読むようになったとか。
また、「マンガを読む生徒の読解力は、読まない生徒よりも高い数値が出ている。」との調査結果も発表されています。絵を追い物語や世界観に視覚的に触れているうちに「表現力や文脈を把握する力を育て、活字も多く読解力向上につながっている」というのです。
一方、「マンガは娯楽」「子どもが勉強しなくなる」との意見も根強く「活字の本を読まなくなる」と判断しマンガを撤去した中学校もあるとのこと。
以前、父母面談の折り「マンガばっかり読むんです」と「どうしたものか」と否定的なご相談を受けました。確かに活字の本が好ましいのかもしれませんが、こうも思います。
かつて私は女流漫画家の里中満智子さんの大ファンでした。歴史的な知識、語彙力や言葉の言い回しなど、後になって考えると随分良い影響を受けました。現在は「本のムシ」を自認しています。ですから「きっかけとしてもステップとしても、また、文化としてもいいんじゃないですか」とお応えしたものです。
図書館情報学の研究者は「最近は専門的な内容の作品も多く、子どもが新しい世界に触れるきっかけになる。選ぶ基準を明確にしてバランスを取ることが大事」と進言しています。やはりバランス・・・ですね。