「おうちの方で何かありましたか?」打って変わって授業に集中するOくんの様子を伝える私に、電話の向こうで「あったんです」とお母様。
パパが勉強を教えていたところ「分かんない。もうムリ!」と投げ出してしまったOくん。(塾でもあるあるです)どんなに説得しても埒が明かず「出て行きなさい」と言い放ってしまったと。
日が落ちて暗い中、ホントに出て行かれて・・・。探し回った結果、ナント交番にいたそうです。事情を知ったお巡りさん。「僕も小さいころキミと同じだったよ。みんなが通る道なんだ」と自分の体験を話しつつ寄り添ってくれたそうです。「本来なら児童相談所の仕事でしょうけれど」とご両親に断りながら。
家を飛び出るほどカッカしながら行く当てもなく・・・飛び込んだ交番で想定外の接待(!)を受けたOくん。どんな気持ちだったでしょう?まさに「北風と太陽」。親は北風を吹かそうとして厳しく言うのではありません。しかし、子どもにその意図は素直に伝わりません。イヤ分かっているからこそ分かろうとしないのかも知れません。
ここに第三者の大切な役割があると思います。善意の第三者。出会いの縁を大切に思い行動する質の良い大人です。
当直のお巡りさんの振る舞いにほっこりしつつ、私も子どもを信じる前向きな大人であろうと思いました。